最初に購入したカメラはニコマートFTN(ニコマートFTの改良型として1967年発売)で、
20才を過ぎた頃の想い出が凝縮された一眼レフでもある。FTNは露出がファインダー
内だけではなくペンタ部脇にも小さな窓がありそこでも確認でき、スナップ撮影には
とても便利で使いやすいカメラであった。
 写真をはじめてからすでに30年あまりが経過し、それまで仕事で使うカメラと日常
使用するカメラはほぼ同じであった。しかしソビエトカメラ”ヴァスホート”との出
会から急激に古いカメラに興味を持ちはじめ、なぜか興味を抱いたカメラすべて
が1960年代製造であったことは、60年代から70年代にかけて体験・記憶したあらゆる
ことが僕の中に反映されていることを思うと、あながち偶然の一致とはいえないだろ
う。
 ここでは実用機として日常使用している、1960年代製造のカメラを紹介して行こう
と思う。ただ1960年代というくくりはコンセプトとしての枠であり、機種によって年
代が数年前後する場合があること。
 さらにできうる限り史実を検証し実写をしての記述ではあるが、製造年が古い上カ
メラ自体希少なぶるい(資料が少ない)に属するものが多く、記述や考察がいわゆる”
完璧なテキスト”と言い切れないこと。
 あくまでも趣味嗜好の副産物であり、カメラに対する僕個人の考えを記述した読み
物として受け止めていただければ幸いである。

<上の写真をクリックすると、それぞれの説明を読むことができます>