ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)1969年生まれ

 映画正式デビューは1997年(28才)ブルース・ベレスフォード監督作品『Paradise Road』(1997年)といわれているが、『Police Rescue』(1994年)『Parklands』(1996年)『Thank God He Met Lizzie』(1997年)など未公開作品は多数ある。年令からするとデビューはかなり遅く思えるが、メルボルン大学で美術史・経済学を学び、ナショナル・インスティテュート・オブ・ドラマティック・アートを卒業(1992年)、その後舞台テレビなどでかなりの下積みを重ねて来た隠れた大物女優なのである。
 僕がはじめて見た作品は『ギフト』(2000年)で、ケイトのあまりに素晴らしい演技と雰囲気それに控えめな美しさに感動し、この一作品でファンになってしまった。その後折を見てはレンタルできる作品はすべて見、よりいっそうケイトに興味を持つようになった。
 1998年シェカール・カプール監督の『エリザベス』でゴールデン・グローブ賞、イギリス・アカデミー賞、ロンドン映画批評家協会など主演女優賞、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされるなど素晴らしい評価を得たが、僕は『ギフト』のケイトの雰囲気が好みである。
 ケイトは質素で地味な部分と華麗で優美な部分を、Catherine Elise Blanchett(本名だが、とても美しい名前である)という自身のキャリアとイマジネーションの中からCate Blanchettを通して役柄に成り切る天職の女優だと僕は思っている。そして同世代に、彼女と共通した個性を持った女優を僕は知らない。

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